MQL5システムトレーダーの為のPython講座:第2回「Pythonの環境構築」

Python
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はじめに

前回Python講座の第1回目、として、そもそもPythonとは何か?
Pythonを使ってできる事、等について解説しました。


今回は第2回目として、Pythonの環境構築について初心者の方にもわかりやすく説明していきます。

環境構築とは、プログラミングを行うために必要なソフトウェアや設定を整えることを指します。

WindowsとMac、それぞれでPythonをインストールする方法、さらに便利なエディタの設定についても解説します。この記事を読みながら一緒に手順を進めれば、どなたでもスムーズにPythonのプログラミング環境を整えることができます。

環境構築には仮想環境を作る方法もありますが、今回はそれを使わない方法を紹介します。仮想環境とは、システム全体に影響を与えずにPythonのライブラリや設定を独立して管理できる仕組みです。

仮想環境は非常に便利ですが、初心者には設定が難しく、つまずきやすいポイントでもあります。そのため、今回は直接インストールすることで、より簡単に環境を整える方法を採用しています。

特に仮想環境を使わずに直接インストールする方法を取り上げ、初学者がつまずかないように配慮しています。

Pythonのインストール手順(Windows編)

公式サイトからインストーラーをダウンロード

まずは、Pythonの公式サイトからインストーラーをダウンロードします。公式サイトには最新バージョンのPythonが提供されています。以下の手順に従ってダウンロードを進めてください。

  1. ブラウザでPythonの公式サイト にアクセスします。
  2. トップページにある「Download Python」ボタンをクリックします。
  3. ダウンロードされるインストーラーのファイル名は「python-<バージョン番号>.exe」です。

インストーラーの使用方法とPowerShellでの確認

次に、ダウンロードしたインストーラーを使ってPythonをインストールします。

  1. ダウンロードしたインストーラー(.exeファイル)をダブルクリックして起動します。
  2. インストール画面の下部に「Add Python to PATH」というチェックボックスが表示されるので、必ずチェックを入れてください。この設定を行うことで、Pythonコマンドがどの場所からでも実行できるようになります。
  3. 「Install Now」ボタンをクリックしてインストールを開始します。
  4. インストールが完了したら、インストーラーを閉じてください。

インストールが完了したら、PowerShellを使用してPythonが正常にインストールされたか確認します。
※PowerShellとは、Windowsに標準で搭載されているコマンドラインシェル(コマンドを使ってシステムを操作するためのインターフェース)で、システムの操作や設定を行うためのツールです。

  1. 「スタート」メニューを開き、「PowerShell」と入力してPowerShellを起動します。
  2. 起動したPowerShell上で、次のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
    python -v
  3. Pythonのバージョンが表示されれば、インストールは成功です。例えば、「Python 3.x.x」という表示が出れば、正常にインストールされています。

これで、Windows上にPythonの環境が整いました。

Pythonのインストール手順(Mac編)

ターミナルでの準備

次に、MacでPythonをインストールする手順を解説します。Macの場合、ターミナルを使って操作を進めます。

  1. ターミナルを起動します。
    • 「Launchpad」を開き、「その他」の中にある「ターミナル」をクリックして起動してください。
  2. ターミナルが起動したら、まずは「GCC」がインストールされているかを確認します。
    • ターミナルで次のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
    gcc
    • 「コマンドラインデベロッパーツールのインストール」を求めるメッセージが表示された場合は、指示に従ってコマンドラインデベロッパーツールをインストールしてください。
    • もし「clang:error no input files」といったメッセージが表示された場合は、コマンドラインデベロッパーツールがすでにインストールされている状態ですので、そのまま次の手順に進んでください。

HomebrewのインストールとPythonのセットアップ

Homebrew(ホームブリュー)は、macOS用のパッケージ管理ツールで、ソフトウェアのインストールを簡単に行うことができます。まずはHomebrewをインストールし、その後Pythonをインストールします。

  1. ターミナルで次のコマンドを入力し、Homebrewをインストールします。/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
    • このコマンドを実行すると、Homebrewのインストールが始まります。インストールには時間がかかることがあるので、少し待ちましょう。
  2. Homebrewがインストールされたら、次にPythonをインストールします。brew install python3
    • このコマンドを実行することで、Pythonがインストールされます。
  3. インストールが完了したら、Pythonのバージョンを確認して正しくインストールされたかを確かめます。python3 --version
    • Python 3.x.x」という形でバージョン情報が表示されれば、インストールは成功です。

シンボリックリンクの設定

Python 3を簡単に呼び出せるようにするため、シンボリックリンクを設定します。シンボリックリンクとは、あるファイルやディレクトリへのショートカットのようなもので、指定したコマンドで簡単にプログラムを呼び出せるようにします。

  1. ターミナルで次のコマンドを入力し、シンボリックリンクを設定します。ln -s /usr//bin/python3 /usr/local/bin/python
    • これで、「python」というコマンドでPython 3を呼び出せるようになります。
  2. シンボリックリンクの設定が正しく行われたか確認するために、以下のコマンドを実行してください。python --V
    • Python 3のバージョン情報が表示されれば、シンボリックリンクの設定が完了しています。

これで、Mac上にPythonの環境が整いました。

Pythonファイルを作成・編集するエディタの選び方

Pythonのプログラムを書くには「エディタ」と呼ばれるソフトウェアが必要です。エディタは、プログラムのコードを書くためのテキストエディタのことです。ここでは、代表的なエディタである「VS Code」と「PyCharm」について比較し、どちらを使うべきかを説明します。

VS CodeとPyCharmの比較

VS Code(Visual Studio Code)PyCharm(パイチャーム)は、どちらもPythonのプログラミングに使える人気のエディタです。それぞれの特徴を見てみましょう。

VS Code(Visual Studio Code)の特徴

  • 無料で使える:VS Codeはマイクロソフトが提供する無料のエディタです。
  • 多機能で拡張可能:VS Codeはさまざまなプログラミング言語に対応しており、必要な機能を追加する「拡張機能(エクステンション)」を簡単にインストールできます。
  • 軽量で動作が速い:動作が軽く、パソコンのスペックが高くなくてもスムーズに動きます

PyCharm(パイチャーム)の特徴

  • Pythonに特化:PyCharmはPythonのために作られたエディタで、Pythonを書くために特化した便利な機能が多く含まれています。
  • 有料版と無料版がある:PyCharmには「コミュニティエディション(無料版)」と「プロフェッショナルエディション(有料版)」があります。無料版でも基本的な機能は十分ですが、より多くの機能を使いたい場合は有料版を利用する必要があります。
  • 自動補完機能:コードを書いているときに、次に書くべきコードを提案してくれる「自動補完機能」があり、初心者でも間違えにくいです。

初めてPythonを使う人向けのエディタ選び

初めてPythonを使う場合、どちらのエディタを選ぶべきか悩むかもしれません。それぞれのメリットを考えると、以下のような選び方がおすすめです。

  • 手軽に始めたい、シンプルなものを使いたい場合
    • VS Codeがおすすめです。VS Codeはインストールが簡単で、拡張機能を使えばPythonの開発環境をすぐに整えることができます。動作も軽く、シンプルな画面で初心者にも扱いやすいです。
      また、Python以外のプログラミング言語を扱いたい場合にもおすすめです。VS Codeは多くのプログラミング言語に対応しており、拡張機能を追加することで様々な言語での開発が可能です。

※VSCodeのインストーラーは下記↓のリンクから入手可能です。

https://code.visualstudio.com/download

  • Pythonに特化した便利な機能を使いたい場合
    • PyCharmが適しています。特に、Pythonのプロジェクトをたくさん作りたい場合や、複雑なプログラムを書くときに便利です。自動補完やデバッグ(プログラムの間違いを見つけて直すこと)機能が強力なので、学習にも役立ちます。

※PyCharmのインストーラーのインストーラーは下記↓のリンクから入手可能です。

https://www.jetbrains.com/pycharm/download/?section=windows

どちらのエディタも、慣れてくると非常に使いやすいので、自分の用途や好みに合わせて選んでみてください。まずは使いやすいと思ったエディタを試してみるのが良いでしょう。

この記事ではVSCodeをWindowsパソコンで利用するにあたっての、前準備について、次のセクションで解説していきます。

VS CodeをPython用エディタとして設定する手順(Windows編)

インストーラーのダウンロードとインストール

ここからは、VS Code(Visual Studio Code)をPython用のエディタとして使うための設定方法を説明します。まずは、VS Codeのインストーラーをダウンロードし、インストールする手順を紹介します。

  1. VS Codeのダウンロード
    • ブラウザで「VS Code ダウンロード」と検索し、公式サイト(https://code.visualstudio.com/)にアクセスします。
    • トップページに「Download for Windows」というボタンが表示されているので、それをクリックしてインストーラーをダウンロードします。
  2. インストーラーの実行
    • ダウンロードしたインストーラー(.exeファイル)をダブルクリックして起動します。
    • インストール画面が表示されるので、「使用許諾契約書に同意します」にチェックを入れ、「次へ」をクリックして進みます。
    • インストール先のフォルダーを選択し、次に進んでください(特に変更する必要がなければそのままでOKです)。
    • 必要に応じてデスクトップにアイコンを作成するなどの追加タスクを選択し、「次へ」をクリックしてインストールを開始します。
    • インストールが完了したら、「完了」ボタンをクリックしてVS Codeを起動します。

拡張機能を使ったPython設定と日本語化

次に、VS CodeをPython用のエディタとして使いやすくするために必要な拡張機能の設定と、日本語化の手順を説明します。

  1. VS Codeの日本語化
    • VS Codeを起動すると、デフォルトでは英語で表示されますが、日本語化することで使いやすくなります。
    • 左側のメニューバーにある「拡張機能(Extensions)」アイコンをクリックし、検索バーに「Japanese」と入力します。
    • 「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」という拡張機能が表示されるので、「インストール」ボタンをクリックしてインストールします。
    • インストールが完了したら、VS Codeを再起動することで、日本語化が反映されます。
  2. Python拡張機能のインストール
    • 同じく「拡張機能」アイコンをクリックし、今度は「Python」と入力します。
    • Python」という名前の拡張機能が表示されるので、「インストール」ボタンをクリックしてインストールします。この拡張機能を使うことで、Pythonのコード補完やエラーチェック、コードの実行が簡単に行えるようになります。
  3. Pythonインタープリターの設定
    • 拡張機能をインストールしたら、Pythonインタープリター(Pythonの実行環境)を設定します。
    • VS Codeの画面右下に「Pythonインタープリターが選択されていません」と表示される場合があるので、それをクリックし、インストール済みのPythonのバージョンを選択します。
    • この設定を行うことで、VS CodeがPythonを正しく認識し、Pythonのコードを実行できるようになります。

これで、VS CodeをPython用のエディタとして使うための設定が完了です。Pythonの開発を進めるうえで便利な機能が使えるようになるので、スムーズにプログラミングを始めることができます。

フォルダやファイルの編集~ファイルの実行手順について

フォルダを開いてファイルを編集できるようにする手順

次に、Pythonのコードを書くために、フォルダを開いて新しいファイルを作成する手順を説明します。フォルダを使うことで、プログラムを整理しやすくなります。

  1. VS Codeでフォルダを開く
    • VS Codeの左側にある「エクスプローラー」アイコンをクリックします。エクスプローラーは、フォルダやファイルを管理するための機能です。
    • 「フォルダを開く」というボタンが表示されるので、それをクリックします。
    • 自分のパソコン上でPythonのコードを書きたい場所に移動し、新しいフォルダを作成するか、既存のフォルダを選択します。例えば、「PythonProjects」という名前のフォルダをデスクトップに作成すると良いでしょう。
    • フォルダを選択したら、「フォルダを選択」ボタンをクリックします。これで選んだフォルダがVS Code上に表示されるようになります。
  2. 新しいPythonファイルを作成する
    • 左側のエクスプローラーに、選択したフォルダの名前が表示されるので、その下にある「新規ファイル作成」アイコン(紙にプラスのマークがついているアイコン)をクリックします。
    • 新しいファイルの名前を入力するよう求められるので、example.pyなどの名前を入力します。ファイル名の最後に「.py」と付けることで、このファイルがPythonのプログラムであることを示します。
  3. Pythonのコードを書いてみる
    • 新しく作成したファイルがエディタの中央に表示されるので、そこにPythonのコードを書いてみましょう。例えば、次のように入力してください:
print("こんにちは、Python!")

このコードは、「print」という命令を使って「こんにちは、Python!」というメッセージを画面に表示するプログラムです。

ファイルを保存する

  • コードを書いたら、忘れずにファイルを保存します。保存するには、Windowsの場合は「Ctrl」キーと「S」キーを同時に押してください。これでファイルが保存されます。

Pythonファイルを実行する

  • コードを書いた後、そのプログラムが正しく動くかを確認してみましょう。VS Codeの画面上部にあるメニューの「ターミナル」から「新しいターミナル」をクリックします。画面下部にターミナルが表示されます。ターミナルで次のコマンドを入力して、作成したPythonファイルを実行します。

python example.py
  • エンターキーを押すと、「こんにちは、Python!」と表示されるはずです。これでPythonのプログラムが正しく動いたことが確認できます。

これで、最低限のPythonの環境構築が完了しました。

次回からはPythonの基本的な文法やルールについて解説していきたいと思います。

    MQL5システムトレーダーの為のPython講座:第1回「Pythonとは」

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