ENUM_APPLIED_PRICEとは?
ENUM_APPLIED_PRICEは、価格データの特定の種類にアクセスするために用いられる識別子を集めたenum列挙型です。
ENUM_APPLIED_PRICEの各識別子は、計算や分析に使用される価格の種類を指定します。ここでは、ENUM_APPLIED_PRICEに含まれる各識別子は以下の通りです。
PRICE_CLOSE
PRICE_CLOSEは、バーの終値を意味します。これは、特定の時間枠における取引セッションの最後の価格であり、多くのトレーディング分析で基本となる価格データです。
PRICE_OPEN
PRICE_OPENは、バーの始値を指します。これは、取引セッションが開始した際の最初の価格で、市場の開始時の勢いや方向性を把握するのに役立ちます。
PRICE_HIGH
PRICE_HIGHは、バーの最高価格を表します。この価格は、特定の期間内での最も高い取引価格を示し、市場の強気の勢いを分析する際に重要です。
PRICE_LOW
PRICE_LOWは、バーの最低価格を示します。期間内での最も低い取引価格であり、市場の弱気の勢いを理解するのに役立ちます。
PRICE_MEDIAN
PRICE_MEDIANは、バーの中央価格を意味し、最高価格と最低価格の中間の価格です。これは、価格の平均的な動きを考慮するのに適しています。
PRICE_TYPICAL
PRICE_TYPICALは、バーの典型的な価格を指し、最高、最低、および終値の平均を取って計算されます。市場の全体的なパフォーマンスを捉えるために使用されます。
PRICE_WEIGHTED
PRICE_WEIGHTEDは、重み付き平均価格です。これは、最高、最低、終値、そして始値を合わせて割ることで算出され、各価格に均等な重みが与えられます。
ENUM_APPLIED_PRICEこれらの識別子は、MQL5でのインジケータの計算やエキスパートアドバイザーの開発において、特定の価格データに基づく分析を行う際に使用されます。適切な識別子を選択することで、より精密なトレーディング戦略を構築することが可能になります。
ENUM_APPLIED_PRICEを使ったサンプルコード
// 移動平均線の値を格納するための配列
double MA_LongTerm[];
double MA_MidTerm[];
double MA_ShortTerm[];
// 移動平均線を取り扱うためのハンドル(識別子)を格納する整数変数
int Handle_LongTermMA;
int Handle_MidTermMA;
int Handle_ShortTermMA;
// MA(Moving Average、移動平均)のハンドルを取得する
Handle_LongTermMA = iMA(NULL, 0, Period_LongTerm, 0, MODE_SMMA, PRICE_MEDIAN);
Handle_MidTermMA = iMA(NULL, 0, Period_MidTerm, 0, MODE_SMMA, PRICE_MEDIAN);
Handle_ShortTermMA = iMA(NULL, 0, Period_ShortTerm, 0, MODE_SMMA, PRICE_MEDIAN);
上記サンプルコードは、特定の金融商品の価格データに基づいて、3つの異なる期間で平滑移動平均を計算するためのハンドルを取得するものです。
そのためにiMA関数の第5引数にENUM_APPLIED_PRICEの定数リスト内の一つであるPRICE_MEDIANが記述されています。
<参照>
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第0回から、順を追って勉強していけばプログラミングの経験がなくてもMQL5を使って、MT5用のEAが作れるように書いています。最初は難しいと感じるかもしれませんが、繰り返し勉強していく事で自然とスキルが身についていくはずです。興味ある方は是非ご覧ください。