【MQL5】ENUM_SYMBOL_INFO_STRINGについて

MQL5リファレンス

ENUM_SYMBOL_INFO_STRINGは、指定されたシンボルの特定のプロパティを取得するために使用される識別子列挙型です。この列挙型を使用して、シンボルに関する詳細な情報を取得することができます。以下に、各識別子について解説します。

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SYMBOL_BASIS

SYMBOL_BASISは、デリバティブの原資産を示す識別子です。このプロパティは、シンボルがデリバティブである場合に、その基となる原資産の名前を取得するために使用されます。

【種類】
文字列

【説明】
デリバティブの原資産の名前を返します。例えば、株価指数先物のシンボルの場合、SYMBOL_BASISを使用することで、その先物契約の原資産である株価指数の名前を取得できます。

【デリバティブとは】
デリバティブ(派生商品)は、株式や債券、通貨、商品などの原資産の価格に基づく金融商品です。先物取引やオプション取引などがこれに該当します。デリバティブはリスク管理や投機目的で広く利用されています。

SYMBOL_CATEGORY

SYMBOL_CATEGORYは、取引シンボルが属するセクターまたはカテゴリの名前を示す識別子です。このプロパティは、シンボルがどのセクターやカテゴリに属しているかを取得するために使用されます。

【種類】
文字列

【説明】
取引シンボルが属するセクターまたはカテゴリの名前を返します。例えば、金融シンボルが「テクノロジー」セクターに属している場合、SYMBOL_CATEGORYを使用することで、そのセクターの名前を取得できます。

SYMBOL_COUNTRY

SYMBOL_COUNTRYは、金融銘柄が属する国を示す識別子です。このプロパティは、シンボルがどの国に関連しているかを取得するために使用されます。

【種類】
文字列

【説明】
金融銘柄が属する国の名前を返します。例えば、特定の株式が「日本」に属している場合、SYMBOL_COUNTRYを使用してその国名を取得できます。

SYMBOL_SECTOR_NAME

SYMBOL_SECTOR_NAMEは、金融銘柄が属する経済部門を示す識別子です。このプロパティは、シンボルがどの経済部門に属しているかを取得するために使用されます。

【種類】
文字列

【説明】
金融銘柄が属する経済部門の名前を返します。例えば、特定の企業が「金融」部門に属している場合、SYMBOL_SECTOR_NAMEを使用することで、その部門の名前を取得できます。

SYMBOL_INDUSTRY_NAME

SYMBOL_INDUSTRY_NAMEは、金融シンボルが属する業界のブランチまたは業界を示す識別子です。このプロパティは、シンボルがどの業界に属しているかを取得するために使用されます。

【種類】
文字列

【説明】
金融シンボルが属する業界のブランチまたは業界の名前を返します。例えば、特定の企業が「ソフトウェア」業界に属している場合、SYMBOL_INDUSTRY_NAMEを使用することでその業界名を取得できます。

【ブランチとは】
この文脈における「ブランチ」とは、特定の業界内の細分化された分野や部門を指します。例えば、金融業界には「投資銀行」、「商業銀行」、「保険」などのブランチがあります。同様に、テクノロジー業界には「ソフトウェア開発」、「ハードウェア製造」、「ITサービス」などのブランチが存在します。業界をさらに細かく分類したものがブランチです。

SYMBOL_CURRENCY_BASE

SYMBOL_CURRENCY_BASEは、シンボルの基本通貨を示す識別子です。このプロパティは、シンボルの基本通貨を取得するために使用されます。

【種類】
文字列

【説明】
シンボルの基本通貨を返します。例えば、通貨ペア「EURUSD」の場合、SYMBOL_CURRENCY_BASEを使用することで「EUR」を取得できます。このプロパティは、シンボルの基本的な取引通貨を確認する際に役立ちます。

SYMBOL_CURRENCY_PROFIT

SYMBOL_CURRENCY_PROFITは、シンボルの利益通貨を示す識別子です。このプロパティは、シンボルの取引において利益が計算される通貨を取得するために使用されます。

【種類】
文字列

【説明】
シンボルの利益通貨を返します。例えば、通貨ペア「EURUSD」の場合、SYMBOL_CURRENCY_PROFITを使用することで「USD」を取得できます。このプロパティは、取引の利益や損失がどの通貨で計算されるかを確認する際に役立ちます。

SYMBOL_CURRENCY_MARGIN

SYMBOL_CURRENCY_MARGINは、シンボルの証拠金通貨を示す識別子です。このプロパティは、シンボルの取引において証拠金が計算される通貨を取得するために使用されます。

【種類】
文字列

【説明】
シンボルの証拠金通貨を返します。例えば、特定のシンボルが「USD」で証拠金を設定している場合、SYMBOL_CURRENCY_MARGINを使用することで「USD」を取得できます。このプロパティは、取引を行う際に必要な証拠金がどの通貨で計算されるかを確認する際に役立ちます。

SYMBOL_BANK

SYMBOL_BANKは、現在の相場のフィーダーを示す識別子です。このプロパティは、シンボルの価格データを提供する銀行や機関の名前を取得するために使用されます。

【種類】
文字列

【説明】
現在の相場のフィーダーの名前を返します。例えば、特定の通貨ペアの価格データが「ABC Bank」から提供されている場合、SYMBOL_BANKを使用することで「ABC Bank」という名前を取得できます。このプロパティは、価格データの提供元を確認する際に役立ちます。

【フィーダーとは】
フィーダーとは、取引プラットフォームに対して市場データ(価格情報など)を提供する役割を担う機関やシステムのことを指します。価格データの正確性と信頼性を確保するために重要な役割を果たします。

SYMBOL_DESCRIPTION

SYMBOL_DESCRIPTIONは、シンボルの説明を示す識別子です。このプロパティは、シンボルに関する説明情報を取得するために使用されます。

【種類】
文字列

【説明】
シンボルの説明を返します。例えば、通貨ペア「USDJPY」の場合、SYMBOL_DESCRIPTIONを使用することで「US Dollar vs Yen」のような説明を取得できます。このプロパティは、シンボルの詳細な情報を提供し、取引を行う際の参考情報として役立ちます。

SYMBOL_EXCHANGE

SYMBOL_EXCHANGEは、金融シンボルが取引されている取引所の名前を示す識別子です。このプロパティは、シンボルがどの取引所で取引されているかを取得するために使用されます。

【種類】
文字列

【説明】
金融シンボルが取引されている取引所の名前を返します。例えば、特定の株式が「ニューヨーク証券取引所(NYSE)」で取引されている場合、SYMBOL_EXCHANGEを使用することで「NYSE」という名前を取得できます。このプロパティは、シンボルがどの取引所で取引されているかを確認する際に役立ちます。

SYMBOL_FORMULA

SYMBOL_FORMULAは、カスタムシンボルプライシングに使用される公式を示す識別子です。このプロパティは、シンボルの価格を計算するための数式を取得するために使用されます。

カスタムシンボルとは

カスタムシンボルとは、トレーダーが独自に定義したシンボルであり、通常の市場で取引されている標準的なシンボルとは異なります。これには、特定の条件や計算式に基づいて価格が決定されるシンボルが含まれます。例えば、複数の金融商品の価格を組み合わせた複合シンボルや、異なる期日の先物契約を組み合わせたカレンダースプレッドなどがあります。カスタムシンボルは、トレーダーが特定の戦略や分析を行う際に利用されます。

【種類】
文字列

【説明】
カスタムシンボルプライシングに使用される公式を返します。例えば、複合シンボルやカレンダースプレッドの価格を計算するための数式が含まれます。数式で使用される金融シンボルの名前が数字で始まるか特殊文字(”>”、”、”、”。”、”-“、”&”、”#”など)を含む場合、引用符がシンボル名の周りで使用されます。

【例】

  • 複合シンボル: "@ESU19"/EURCAD
  • カレンダースプレッド: "Si-9.13"-"Si-6.13"
  • ユーロインデックス: 34.38805726 * pow(EURUSD,0.3155) * pow(EURGBP,0.3056) * pow(EURJPY,0.1891) * pow(EURCHF,0.1113) * pow(EURSEK,0.0785)

このプロパティは、カスタムシンボルや複雑な価格設定を行う際に重要です。

SYMBOL_ISIN

SYMBOL_ISINは、ISINシステム(International Securities Identification Number)での銘柄名を示す識別子です。このプロパティは、シンボルの一意の識別コードを取得するために使用されます。

【種類】
文字列

【説明】
ISINシステムでのシンボルの識別コードを返します。ISINは国際証券識別番号で、各証券を一意に識別するための12桁のアルファベットと数字の組み合わせです。例えば、特定の株式や債券に対して、SYMBOL_ISINを使用することでそのISINコードを取得できます。

ISINとは

ISIN(International Securities Identification Number)は、証券を一意に識別するための国際標準化された12桁のコードです。このコードは、証券の発行国や種類に関係なく、グローバルに証券を識別するために使用されます。ISINコードは、証券の取引や清算、保管において重要な役割を果たします。

例えば、特定の企業の株式が「US0378331005」というISINコードを持っている場合、SYMBOL_ISINを使用することでそのコードを取得し、証券の詳細情報や取引に役立てることができます。

SYMBOL_PAGE

SYMBOL_PAGEは、シンボル情報を含むWebページのアドレスを示す識別子です。このプロパティは、シンボルの詳細情報を表示するためのWebページのURLを取得するために使用されます。

【種類】
文字列

【説明】
シンボル情報を含むWebページのアドレスを返します。このURLは、取引端末でシンボルプロパティを表示する際にリンクとして表示されることがあります。例えば、特定のシンボルに関する詳細な情報や分析を提供するWebページへのリンクを取得できます。

このプロパティを使用することで、ユーザーはシンボルに関する追加情報をオンラインで簡単にアクセスできます。例えば、シンボルの過去のパフォーマンスやニュース、分析レポートなどの情報を含むWebページへのリンクを取得することができます。

SYMBOL_PATH

SYMBOL_PATHは、シンボルツリーパスを示す識別子です。このプロパティは、シンボルが取引プラットフォームのシンボルツリー構造の中でどこに位置しているかを取得するために使用されます。

【種類】
文字列

【説明】
シンボルツリーパスを返します。シンボルツリーは、取引プラットフォーム上でシンボルが階層的に整理されている構造です。例えば、特定のシンボルが「Forex」「Majors」「EURUSD」のようなパスを持つ場合、SYMBOL_PATHを使用することでこのパスを取得できます。

このプロパティは、シンボルの階層的な位置を把握する際に役立ちます。例えば、シンボルがどのカテゴリやサブカテゴリに属しているかを確認することで、シンボルの整理やナビゲーションを容易にします。

補足:カレンダースプレッドとは

カレンダースプレッドとは、同じ原資産に対して異なる期日の先物契約を組み合わせた取引手法の一つです。この戦略は、特定の期日の価格差に基づいて利益を得ることを目的としています。カレンダースプレッドは、一般的に先物市場で使用され、価格差の変動を利用してリスクを管理したり、利益を追求します。

具体例

例えば、トレーダーが同じ商品の2つの異なる期日の先物契約を取引する場合、以下のようにカレンダースプレッドを構築することができます:

  • 購入(ロング):ある期日の先物契約を購入
  • 売却(ショート):異なる期日の先物契約を売却

このようにすることで、トレーダーは原資産の価格変動リスクを抑えつつ、期日間の価格差の変動から利益を得ることができます。

カレンダースプレッドの利点

  1. リスク管理:価格変動のリスクをヘッジすることができます。
  2. 低ボラティリティ:通常、価格差は個別の先物価格よりも変動が少ないため、リスクが低減されます。
  3. 取引コストの削減:取引コストが低い場合があります。

カレンダースプレッドの例

例えば、石油の先物契約で6月期日の契約を購入し、同じ石油の12月期日の契約を売却する場合、これがカレンダースプレッド取引となります。

// カレンダースプレッドの例
string formula = "\"Si-9.13\" - \"Si-6.13\"";
Print("カレンダースプレッドの公式: ", formula);

この例では、異なる期日の石油先物契約の価格差を表す数式が示されています。カレンダースプレッドの公式を使用することで、異なる期日の先物契約の価格差を計算し、その変動を分析することができます。

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