【MQL5】ArrayReverse関数について

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ArrayReverse関数の働き・役割

ArrayReverse関数は、指定されたインデックスから始まる配列要素を、指定した数だけ反転するために使用されます。この関数は、配列のデータ自体を物理的に変更し、指定した範囲内の要素の順序を逆転させる役割を持ちます。

例えば、配列の一部を指定して、その部分だけの順序を逆転したい場合に便利です。

ArrayReverse関数の引数について

ArrayReverse関数は、以下の3つの引数を取ります。

第1引数: array[]

反転する配列を指定します。配列は任意の型であり、通常は整数型や浮動小数点型の配列が使用されます。この引数は入力および出力の役割を持ちます。入力としては反転前の配列を受け取り、出力としては反転後の配列を返します。

第2引数: start=0

配列のどこから反転を始めるかを示すインデックス(通し番号)です。このインデックスの値は0から始まり、デフォルトでは0(配列の最初の要素)から反転が始まります。

第3引数: count=WHOLE_ARRAY

反転する要素の数を指定します。デフォルト値のWHOLE_ARRAYを指定すると、startインデックスから配列の最後までの要素がすべて反転されます。特定の数の要素のみを反転したい場合は、その数を指定します。

ArrayReverse関数の引数について

ArrayReverse関数は、以下の3つの引数を取ります。

第1引数: 配列

反転する配列を指定します。配列は任意の型であり、通常は整数型や浮動小数点型の配列が使用されます。この引数は入力および出力の役割を持ちます。入力としては反転前の配列を受け取り、出力としては反転後の配列を返します。

第2引数: 開始インデックス

配列のどこから反転を始めるかを示すインデックス(通し番号)です。このインデックスの値は0から始まり、デフォルトでは0(配列の最初の要素)から反転が始まります。

第3引数: 要素数

反転する要素の数を指定します。デフォルト値として配列全体が反転されます。デフォルトの値を使用すると、指定した開始インデックスから配列の最後までの要素がすべて反転されます。特定の数の要素のみを反転したい場合は、その数を指定します。


ArrayReverse関数の戻り値について

ArrayReverse関数戻り値は、関数が成功したかどうかを示すbool型の値です。

  • true: 関数が正常に実行され、配列要素が指定通りに反転された場合に返されます。
  • false: 関数の実行が失敗した場合に返されます。失敗するケースとしては、無効な引数が指定された場合や、開始インデックス要素数が配列の範囲外を指定している場合などが考えられます。

正常に処理が行われたかを確認するためには、関数戻り値をチェックすることが推奨されます。

ArrayReverse関数を使う際の注意点

ArrayReverse関数を使用する際には、ArraySetAsSeries関数との違いを理解しておくことが重要です。これらの関数はどちらも配列の順序に影響を与えますが、その働きは大きく異なります。

  • ArrayReverse関数は、指定された範囲の配列要素を物理的に入れ替えて反転します。つまり、配列内の要素の位置そのものが変更されます。反転後の配列の状態は、元の順序とは完全に異なり、データ自体が変更されているため、その結果は後続の処理にも影響を与えます。
  • 一方で、ArraySetAsSeries関数配列要素自体を物理的に移動させるわけではありません。ArraySetAsSeries関数は、配列インデックスを逆順に扱うことで、まるで配列が反転しているかのように見せるだけです。実際にはデータはそのままで、配列へのアクセス方法を変更するため、元の配列の順序には影響を与えません。

つまり、ArraySetAsSeries関数はアクセスの仕方を変更する「見かけ上の反転」であり、ArrayReverse関数は実際に配列内のデータを変更する「物理的な反転」であることを理解しておく必要があります。

ArrayReverse関数を使ったサンプルコード

//+------------------------------------------------------------------+
//| スクリプトプログラムを開始する関数                             |
//+------------------------------------------------------------------+
void OnStart()
 {
   //--- 固定サイズの整数型配列を宣言し、要素数10を指定します
   int array[10];

   //--- 配列に値を代入します。iはインデックスで、0から9まで順番に代入されます。
   //    array[0]に0、array[1]に1...array[9]に9がそれぞれ格納されます。
   for(int i=0; i<10; i++)
    {
      array[i] = i; // 各要素にインデックスと同じ値を代入
    }

   //--- ArrayReverse関数を呼び出す前に配列の内容をエキスパートログに表示します
   //    ここでは、Print関数を使ってメッセージを出力します。
   Print("Before calling ArrayReverse()"); // 反転前の配列の状態を表示するメッセージ

   //--- ArrayPrint関数で配列の内容を表示します
   //    ArrayPrint関数は配列のすべての要素をエキスパートログに表示します。
   ArrayPrint(array);

   //--- ArrayReverse関数を使用して配列内の要素を一部反転します
   //    ここではインデックス4から始まり、3つの要素(array[4], array[5], array[6])を反転させます。
   //    結果として、array[4]の値とarray[6]の値が入れ替わり、array[5]の値はそのままになります。
   ArrayReverse(array, 4, 3);

   //--- ArrayReverse関数を呼び出した後の配列の内容をエキスパートログに表示します
   Print("After calling ArrayReverse()"); // 反転後の配列の状態を表示するメッセージ

   //--- 反転後の配列の内容も同様にArrayPrint関数で表示します
   ArrayPrint(array);

   /*
      実行結果:
      ArrayReverse()呼び出し前(反転前の状態)
      0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

      ArrayReverse()呼び出し後(インデックス4から3つの要素が反転された状態)
      0 1 2 3 6 5 4 7 8 9

      説明:
      - インデックス4の値(4)とインデックス6の値(6)が入れ替わっています。
      - インデックス5の値(5)は反転範囲の中心に位置するため、そのままです。
   */
 }

サンプルコード解説

このサンプルコードは、ArrayReverse関数を使って配列の一部を反転する例を示しています。コードの実行により、配列の特定の範囲にある要素が物理的に逆順に入れ替わります。

配列の宣言と初期化

最初に、固定サイズの配列を宣言しています。この配列整数型で、要素数が10です。

次に、forループを使用して配列の各要素に値を代入しています。iはインデックスで、0から9まで順番に値を格納します。結果として、配列の初期状態は[0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9]となります。

反転前の配列の表示

配列を反転する前に、ArrayPrint関数を使って現在の配列の状態をエキスパートログに表示します。この関数配列の全要素を一度に表示できる便利な関数です。また、Print関数を使って「反転前」であることを示すメッセージを出力しています。

表示される配列の内容は以下の通りです。
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

ArrayReverse関数の実行

ArrayReverse関数を使って、配列の一部の要素を反転させます。今回は、インデックス4から始まり、3つの要素を反転させています。これにより、インデックス4(値は4)、インデックス5(値は5)、インデックス6(値は6)の要素が反転されます。反転後の配列では、インデックス4の値とインデックス6の値が入れ替わり、インデックス5はそのままの状態になります。

この関数の呼び出しにより、配列要素が次のように変更されます。
0 1 2 3 6 5 4 7 8 9

反転後の配列の表示

反転後の配列の状態を確認するために、再度ArrayPrint関数を使って配列の内容を表示します。Print関数も使用し、「反転後」であることを示すメッセージを表示します。

結果として表示される配列の内容は以下の通りです。
0 1 2 3 6 5 4 7 8 9

実行結果の詳細

反転前の配列は[0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9]でしたが、ArrayReverse関数の実行後は、[0, 1, 2, 3, 6, 5, 4, 7, 8, 9]に変わります。この結果からわかるように、インデックス4の要素(4)とインデックス6の要素(6)が入れ替わり、インデックス5の要素(5)はそのまま残っています。

このサンプルコードでは、配列の特定の範囲を反転する方法を示しました。ArrayReverse関数を使うことで、配列の一部を物理的に逆順にすることが可能です。また、関数の実行結果はエキスパートログで確認することができ、配列の変化を視覚的に把握できます。

この関数を使ってEAを作る際のアイディア

ArrayReverse関数は、配列要素を物理的に反転させるため、データの順序を操作する場面で有効です。この機能を活用して:エキスパートアドバイザーEA)を作成する際のアイディアをいくつか紹介します。

1. 過去の価格データを使ったパターン認識

過去の価格データを逆順にして、特定のパターンを検出するEAを作成できます。例えば、チャートの動きを配列に格納し、ArrayReverse関数を使って逆順にした後に、過去のデータからリバースパターンや逆転現象を分析することができます。これにより、トレンド転換を示すシグナルの検出が可能になります。

2. フィボナッチリトレースメントの自動調整

フィボナッチリトレースメントのレベルを計算する際に、上昇トレンドと下降トレンドでレベルの位置が逆になります。ArrayReverse関数を使えば、価格データや計算したレベルの配列を反転させることで、トレンドの方向に応じたフィボナッチリトレースメントを自動的に調整するEAを作成する事が可能です。

3. 複数時間足でのデータ分析

複数の時間足に基づいて価格データを分析するEAにおいて、各時間足のデータを時系列順に並べ替えることで、特定の時間帯でのパターンを抽出できます。例えば、1時間足、4時間足、日足のデータを別々の配列に格納し、ArrayReverse関数でそれぞれの時間足を異なる順序で評価するEAを設計することが可能です。

4. 移動平均のカスタム計算

移動平均を計算する際に、価格データを逆順にして、過去の価格変動に基づいた異なる移動平均を作成することができます。通常の移動平均計算に対して、逆順の価格データを用いることで、トレンド逆転のシグナルを捉える新しいアプローチが考えられます。

5. ストップロスやテイクプロフィットの動的調整

過去の価格変動を逆順にして分析することで、適切なストップロスやテイクプロフィットのレベルを算出するEAを作成することができます。過去の一定期間の価格データを配列に格納し、ArrayReverse関数を使ってその範囲を反転させることで、直近の価格変動を基にリスク管理を強化することが可能です。

まとめ

ArrayReverse関数は、配列のデータを物理的に反転させるため、価格データの操作やトレンド分析、パターン認識に役立ちます。ArrayReverse関数を活用することで、より柔軟で効果的なEAの作成が可能になります。EAにおいて、価格データや計算結果を動的に操作し、より高度なトレード戦略を実現するアイディアとしてぜひ活用してみてください。

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