【MQL5】CharArrayToString関数について

MQL5リファレンス
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CharArrayToString関数の働き・役割

CharArrayToString関数は、uchar型配列文字列に変換するために使用されます。CharArrayToString関数を使用することで、配列内の各要素を結合し、1つの連続した文字列を生成することができます。

CharArrayToString関数の引数について

CharArrayToString関数は以下の引数を取ります。

string CharArrayToString
(const uchar &array[], 
int start = 0, 
int count = -1, 
uint codepage = CP_ACP);

第1引数は、変換対象の文字配列です。種類は「uchar型配列です。
第2引数は、変換を開始するインデックスです。種類はint型で、初期値は0です。
第3引数は、変換する要素の数です。種類はint型で、初期値は-1(配列の終わりまで)です。
第4引数は、コードページの値です。種類はuint型で、初期値はCP_ACPです。

コードページとは?

コードページとは、文字を数値として表現するためのルールのセットです。

コードページは特定の言語や地域に対応しており、文字を特定の数値(バイトの並び)に変換します。

例えば、CP_ACPは現在のWindowsのデフォルトのコードページを示し、CP_UTF8はUTF-8エンコーディングを示します。

CP_ACPは主に英語などのラテン文字に対応しており、CP_UTF8は多くの言語に対応する国際的な標準です。

コードページを指定することで、文字データを異なるエンコーディングで扱うことができ、異なる言語の文字セットを正確に表示できます。

第4引数に指定する定数リスト

CharArrayToString関数の第4引数には、以下の定数を指定できます。

CP_ACPは値が0で、「現在のWindows ANSIコードページを表します。これは主に英語などのラテン文字に対応しています。

CP_OEMCPは値が1で、現在のシステムのOEMコードページを表します。これは旧式のハードウェアやソフトウェアと互換性を保つために使用されます。

CP_MACCPは値が2で、現在のシステムのMacintoshコードページを表します。現代のMacintoshコンピュータはUnicodeを使用しているため、このコードページは主に以前のプログラムで使用されます。

CP_THREAD_ACPは値が3で、「現在のスレッドのWindows ANSIコードページを表します。これは現在実行中のスレッドに特有のコードページです。

CP_SYMBOLは値が42で、シンボルコードページを表します。これは特殊なシンボルや記号を扱う際に使用されます。

CP_UTF7は値が65000で、UTF-7コードページを表します。これはインターネットメールなどで使用されることが多いエンコーディングです。

CP_UTF8は値が65001で、UTF-8コードページを表します。これは多くの言語に対応する国際的な標準エンコーディングです。

CharArrayToString関数の戻り値について

CharArrayToString関数は、結合された新しい文字列を返します。

CharArrayToString関数を使う際の注意点

文字配列の範囲を超えるインデックス要素数を指定すると、予期しない動作を引き起こす可能性があります。
配列が空の場合、空の文字列が返されます。
引数countが-1の場合、配列の末尾までが変換されます。

CharArrayToString関数を使ったサンプルコード

以下は、CharArrayToString関数を使用して文字配列文字列に変換するサンプルコードです。

void OnStart()
  {
   // 文字配列を定義します
   uchar chars[] = {'H', 'e', 'l', 'l', 'o', ' ', 'W', 'o', 'r', 'l', 'd', '!'};
   
   // 文字配列を文字列に変換します
   string result = CharArrayToString(chars);
   
   // 結果をエキスパートログに出力します
   PrintFormat("変換された文字列: '%s'", result);
   
   /*
   結果:
   変換された文字列: 'Hello World!'
   */
  }

サンプルコードに使われた関数や文法要素の簡単な解説

OnStart関数は、スクリプトの実行が開始されたときに自動的に呼び出される関数です。

PrintFormat関数は、指定したフォーマットに従ってメッセージをエキスパートログに出力するための関数です。デバッグ情報や結果を確認するために使用します。

CharArrayToString関数は、uchar型の文字配列を1つの文字列に変換するための関数です。配列内の文字が結合され、単一の文字列として返されます。

このサンプルコードでは、文字配列{'H', 'e', 'l', 'l', 'o', ' ', 'W', 'o', 'r', 'l', 'd', '!'}文字列「Hello World!」に変換する操作を行っています。CharArrayToString関数の実行結果はエキスパートログに出力され、変換された文字列が表示されます。

公式リファレンスのサンプルコードについて

公式リファレンスのサンプルコードは、CharArrayToString関数の実際の使用例を示しています。このコードは、uchar型の数値の配列文字列に変換し、その結果をエキスパートログに出力する方法を具体的に説明しています。特に、文字列の途中に終端ゼロが含まれている場合の挙動についても示されています。

配列内の各数字は、対応するASCIIコードの文字を表しています。例えば、84は’T’、104は’h’、105は’i’を表します。以下のサンプルコードでは、このような数値が文字に変換される様子を確認できます。

終端ゼロとは?

終端ゼロ(null terminator)とは、文字列の終わりを示すための特殊な文字で、ASCIIコードでは値が0です。C言語やC++、MQL5などのプログラミング言語で、文字列の終わりを示す標準的な方法として使用されます。

例えば、文字列 “Hello” は、メモリ上では以下のように格納されます:H e l l o \0。ここで、\0終端ゼロを示しています。

終端ゼロ文字列操作において非常に重要な役割を果たします。

文字列操作関数終端ゼロに到達すると、それ以上のデータを読み取らないように設計されています。これにより、安全かつ効率的に文字列の操作が可能となります。

もし終端ゼロがないと、関数文字列の終わりを判断できず、メモリ内の無関係なデータを読み取ってしまうことがあります。

以下に、公式リファレンスのサンプルコードを示します。このコードは、終端ゼロを含む配列と含まない配列の違いを示し、それぞれの文字列変換結果をエキスパートログに出力します。

//+------------------------------------------------------------------+ 
//| スクリプトプログラム開始関数                                    | 
//+------------------------------------------------------------------+ 
void OnStart() 
  { 
//--- シンボルコードで配列を作成する 
  uchar array[]= { 84, 104, 105, 115, 32, 105, 115, 32, 97, 32, 
                   116, 101, 115, 116, 32, 111, 102, 32, 116, 104, 
                   101, 32, 67, 104, 97, 114, 65, 114, 114, 97, 
                   121, 84, 111, 83, 116, 114, 105, 110, 103, 40, 
                   41, 32, 102, 117, 110, 99, 116, 105, 111, 110 
                  }; 
//--- 文字列に変換されたコードの配列を操作ログに出力する 
  Print(CharArrayToString(array)); 
  
//--- シンボルコードと終端ゼロで配列を作成する 
  uchar array_z[]= { 84, 104, 105, 115, 32, 105, 115, 32, 97, 32, 
                     116, 101, 115, 116,   0, 32, 111, 102, 32, 116, 
                     104, 101, 32, 67, 104, 97, 114, 65, 114, 114, 
                     97, 121, 84, 111, 83, 116, 114, 105, 110, 103, 
                     40, 41, 32, 102, 117, 110, 99, 116, 105, 111, 110 
                    }; 
//--- 操作ログに終端ゼロを持つコードの 2 番目の配列を出力する 
  PrintFormat("%s ...", CharArrayToString(array_z)); 
  
   /* 
  結果: 
  This is a test of the CharArrayToString() function 
  This is a test ... 
   */ 
  }

このサンプルコードでは、array配列は全てのシンボルコードを含み、そのまま文字列に変換されます。例えば、84は’T’、104は’h’、105は’i’、115は’s’を表します。

一方、array_z配列には途中で終端ゼロが含まれており、ここで文字列が終了したと見なされます。そのため、CharArrayToString関数終端ゼロ以降のデータを無視し、結果として「This is a test …」が出力されます。このように、終端ゼロ文字列操作にどのように影響するかを理解することができます。

CharToString関数とCharArrayToString関数の違いについて

CharToString関数CharArrayToString関数は、どちらも文字データを文字列に変換するための関数ですが、その用途と挙動にいくつかの違いがあります。

CharToString関数は、単一の文字(char型またはuchar型)を文字列に変換します。

例えば、特定の文字を単独で文字列として処理したい場合に使用されます。この関数は主に、1つの文字を直接文字列に変換するシンプルな操作を行うために使用されます。

一方、CharArrayToString関数は、複数の文字を含む配列uchar型)を文字列に変換します。この関数は、文字の配列全体を結合して1つの連続した文字列として扱いたい場合に使用されます。特に、文字列データが配列形式で保存されている場合に便利です。

具体的な違いとして、CharToString関数は単一の文字を扱うのに対して、CharArrayToString関数配列全体を処理し、終端ゼロが含まれる場合、その時点で文字列が終了したと見なされます。これにより、配列内の複数の文字を効率的に結合し、1つの文字列として出力することが可能です。

以下は、それぞれの関数の使用例です。

CharToString関数の使用例

void OnStart()
{
   uchar charValue = 'A';
   string result = CharToString(charValue);
   Print(result); // 出力: "A"
}

CharArrayToString関数の使用例

void OnStart()
{
   uchar array[] = {'H', 'e', 'l', 'l', 'o'};
   string result = CharArrayToString(array);
   Print(result); // 出力: "Hello"
}

このように、CharToString関数は単一の文字を変換するために使われ、CharArrayToString関数は文字配列全体を変換するために使われます。これらの違いを理解することで、適切な状況で適切な関数を選択し、文字データの処理を効率化することができます。

<参照>

CharToString関数

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